事業再構築補助金 指針と概要資料更新
3/17 ようやく「事業再構築指針」が公表になりました。
さて、この段階で指針公開ですが、公募開始は予定通り3月中に行くみたいですね。
大至急、この指針を分析する必要がありそうです。
指針・概要資料はコチラからダウンロードしてください。
事業再構築補助金の手引きからみてゆきます。
無味乾燥殺風景な指針文章を読んでも頭には入ってこないので、手引きをみてゆきましょう。
念のためご注意ですが、こちらは公募要領ではなく、あくまで「再構築とはこういうことをいいます」という参考書ですので、ご注意くださいませ。
類型は5つ
事業再構築の定義となる類型は5種類です。
その定義とは、「新分野展開」「事業転換」「業種転換」「業態転換」「事業再編」の5つのことを指します。
お経か。
なんとなく漢字の意味的にイメージしてゆければと思いますが、2~5番目は似た感じでわかりにくいですね。
耳元でくりかえされたら「うっせぇわ」と歌いたくなります。
さて、ひとつひとつみてゆこうと思いますが、できるだけイメージが湧くようにかみくだきながらお話しようと思います。
今回は、「新分野展開」について
今回の記事では新分野展開について要件の確認と、あてはまらない例を見て行こうと思います。
まずは要件から。元記事はこう言っております。
主たる業種や主たる事業とは、世の中にある産業の多くは日本標準産業分類というものにわけられていて、それぞれ「大分類」「中分類」「小分類」「細分類」と分類されコードが割り振られています。
行政書士ならこうなるわけです。
「大分類」が「学術研究、専門・技術サービス業」、「中分類」が「専門サービス業(他に分類されないもの)」小分類が「行政書士事務所」細分類も「行政書士事務所」と、まぁこうなるわけです。
ようはこの業種や事業を変更することなく行うという事です。
行政書士は行政書士として何か違う事やサービスを作るという事ですね。
で、新分野展開には、要件があり、
「製品等の新規性要件」、「市場の新規性要件」、「売上高10%要件」
この3つを全て満たす必要があります。
製品等の新規性要件とは
来るものをおもいっきり拒んでいるような指針ですが、めげずに読み進めてみましょう。
製品等の新規性要件を満たすためには、①過去に製造等した実績がないこと、②主要な設備を変更すること、③競合他社の多くが既に製造等している製品等ではないこと、④定量的に性能又は効能が異なること(計測できる場合)の4つを全て満たす(=事業計画において示す)必要があります。
① 過去に製造等した実績がない事
昔作ったものをリバイバルで製品化してもダメという事です。つまりFF7リメイクはダメですね。例が下手です。
② 主要な設備を変更する事
製造業にとっては地獄の要件ですね。既存の設備で製造できるものはダメという事です。
やるなら機械もまるっと違うものにしろという事です。
WANDSですよね。
③ 競合他社の多くがすでに製造している製品でないこと
ワタクシが考える例ですが、たとえば水産加工会社が缶詰に代わり、干物を作ろうとした場合、①過去に実績なし②新しい設備と満たしていても、既に競合他社(水産業者)では干物を製造している。一般的なものだ!となった場合、この新規性要件にはあてはまらなくなってしまいます。
④ 定量的に性能や効能が異なること(計測できる場合)
単純に既存製品より耐久度や性能が計測できる場合、向上していることが必要です。
建設会社が車を作って例えば耐久度が3%あがっています。など。。
実現できんのかね・・?
新規性要件を満たさない例
① 過去に実績がない を満たさない。
例では自動車部品で過去に作っていた製品を作ること。とありますが、たとえばプラスチック加工会社で過去に使い捨てカメラの部品をつくっていたけれど今は自動車のプラ部分を作っている。また使い捨てカメラ部品を作りたい。というのはダメという事ですね。
② 主要設備が異なること を満たさない
例では、パウンドケーキの製造の際に用いていたオーブン機器と同じ機械を、新商品である焼きプリンの製造に使用する。とか、買い替えるとか。
例えばケーキ屋さんでこの要件を満たすためには新商品でたこやきを作るから違う設備を導入するくらいの方向転換が必要ということです。
③ 競合他社がすでに作っている を満たさない
さっきは水産加工でお話した通り。例ではパウンドケーキを製造している事業者が、競合他社の多くが既に製造しているにもかかわらず、新たに焼きプリンを製造する場合。と、ありますね。たこ焼きぐらいやんないと。
④ 性能が異なる を満たさない
例では従来から製造していた半導体と性能にほぼ差のない半導体を新たに製造する。はダメですね。
⑤ その他の場合
ここが意外にクセですね。
(例)自動車部品を製造している事業者が、単に既存部品の製造量を増やす場合。
(例)自動車部品を製造している事業者が、新たに既存の部品に単純な改変を加えてロボット用部品を製造する場合。
(例)自動車部品を製造している事業者が、既存製品である2つの部品を単に組み合わせたロボット用部品を製造する場合。
既存部品の製造量を増やすのは「ものづくり補助金」ですし
2つの組み合わせロボットはダメですね。「クロサイFR-U4号」と「ブラキオタンク5号」で、フランキー将軍というのは再構築には当たりません。(?)
市場の新規性要件
市場の新規性要件ですが、定義は2点です
①既存製品等と新製品等の代替性が低いこと
②既存製品等と新製品等の顧客層が異なること
これのうち、①は満たさなければいけない必須の要件で、②は任意要件になっております。
①について、簡単にご説明しますと、新しい商品を作ったからと言って、既存の商品がそれに代わってしまわないことです。
ダメな例を手引きから引用して紹介すると、
(例)アイスクリームを提供していた事業者が新たにかき氷を販売する場合、かき氷の提供によりアイスクリームの売上高は減少すると考えられるため、市場の新規性要件を満たさないと考えられる。
新たな商品(かき氷)で、アイスの売り上げが下がるだろうという事ですね、つまり暑いときに涼しいものを食べたい!となった場合、アイスとかき氷はニーズがバッティングしちゃうよね。ということです。
漫画で新キャラが出ると既存のキャラと被ってしまって既存のキャラが空気になってしまうみたいなことですね。
これは市場に新規性がないな。ということです。
既存商品の一部を強化するというのも市場に新規性がない。とされます。
(例)アイスクリームを提供している事業者が、バニラアイスクリームに特化して提供する場合、アイスクリームの市場の一部のみを対象とするものと考えられ、市場の新規性要件を満たさないと考えられる。
バニラが強いから特化するというのは、「まぁ、アイスはアイスだよね。」という事です。
再構築とまではいえないという事ですね。
②については、既存製品と新規製品のニーズが異なることです。
手引きの例はちょっとふわっとしているので、引用しつつちょっとかみ砕きますね。
(例)宿泊施設において、大宴会場を個室食事処に改修する場合、その事実のみでは利用する客層が異なることが示されておらず、高い評価が得られないと考えられる。従来と異なる単価の客層や、観光客や日帰り入浴利用客など宿泊者以外も利用できること等を示すことで高い評価を受けられる可能性がある。
要は、宴会場を個室食事処にするっていう話には、新規顧客をつかみますという計画が必要です。
これまでの宿泊客だけでなく、日帰りの人も食事処利用のみの人も使えるよっという、事業計画を示してゆかないとだめという事です。
売上高10%要件
新商品の売り上げが、総売り上げの10%以上をしめてゆく計画であることです。
これは一過性のものではなく、補助事業期間(3~5年)以降も事業としてやってゆく計画であるかということです。
つまりアフターコロナですね。
次回は
事業転換についてお話します!