持続化給付金と持続化補助金の違い
名前が似ているのでややこしいとか
政治家が持続化給付金で対応できない人は持続化補助金で対応できるとかそんな発信をされているとか
そういった事柄から、混同がみられることが多々あり、きちんと整理してみようと思います。
前提
まず、補助金のほうの正式な名称は「小規模事業者持続化補助金」と言います。
こちらは随分前から小規模事業者の持続的な販路開拓の取組に対して交付される補助金として実施されており、今回のコロナ対策のためだけのものではありません。
申請者の要件
では、それぞれの違いについてみてゆきます。
まずは申請対象、申請者の要件です。
■ 持続化給付金
中小法人等、医療法人、農業法人、NPO法人など、会社以外の法人 、または個人事業主やフリーランスも対象
<給付金対象>(5/13現在)
・資本金または出資額 10億円未満
・資本金の額又は出資の総額が定められていない場合は、常時使用する従業員の数が2,000人以下
・ 2019年以前から事業により事業収入(売上)を得ており、今後も事業を継続する意思があること。
・2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、前年同月比で事業収入が50%以上減少した月が存在すること。
<不給付要件>
- 国、法人税法別表第一に規定する公共法人
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に規定する「性風俗関連特殊営業」、当該営業に係る「接客業務受託営業」を行う事業者
- 政治団体
- 宗教上の組織若しくは団体
- (1)から(4)までに掲げる者のほか、給付金の趣旨・目的に照らして適当でないと中小企業庁長官が判断する者
■小規模事業者持続化補助金
<補助対象者>
・ 小規模事業者であること
・ 商工会・商工会議所の管轄内で業務を営んでいること
・ 反社会的勢力でない、関係者でもないこと
・ コロナ特別枠に応募の場合は、 ①「サプライチェーンの毀損への対応」、「非対面型ビ ジネスモデルへの転換」、「テレワーク環境の整備」のいずれか一つ以上の投資に取り組 むこと、②新型コロナウイルス感染症が事業環境に与える影響を乗り越え、持続的な経 営に向けた経営計画を策定していること。
<補助対象外>
・ 同一内容の事業について、国が助成(国以外の機関が、国から受けた補助金等により 実施する場合を含む)する他の制度(補助金、委託費等)と重複する事業
・ 本事業の完了後、概ね1年以内に売上げにつながることが見込まれない事業
・ 事業内容が射幸心をそそるおそれがあること、または公の秩序もしくは善良の風俗を 害することとなるおそれがあるもの、公的な支援を行うことが適当でないと認められ るもの 例)マージャン店・パチンコ店・ゲームセンター店等、性風俗関連特殊営業等
上記の通り、給付金は大企業でなければ申請できるのに対し、補助金は「小規模事業者」に対象が限定されております。
また、補助金は支出の用途が指定されており、申請書に計画を記入し、審査されたうえで交付決定あるいは不採択が決まります。
給付金のほうは、給付金の使途に縛りはなく、また要件に当てはまれば原則、給付されることになっております。
また、給付金は2019年以前より売り上げが出ていることが要件ですが、補助金は2020年開業者でも申請できます。
交付(給付)までのスケジュール
■ 持続化給付金
申請後、通常2週間以内に入金される
■ 小規模事業者持続化補助金
申請後、審査が行われる。約一か月程度のち、採択発表が行われ、その後交付決定通知が発行され、事業を開始、事業終了後に完了検査(報告)を行い、清算され、補助金額が確定し給付される。
※ コロナ特別枠では希望者に採択発表後半額が給付されます。
金額
持続化給付金 | 中小法人 上限 200万円 個人事業主 上限 100万円 ※ (前年度の総売上)- (対象月の売上×12) |
小規模事業者持続化補助金 | コロナ対策特別枠 上限 100万円(支出の2/3) 一般枠 上限 50万円(支出の2/3) |
申請方法
■ 持続化給付金
原則オンライン申請(GビズID不要)(サポート会場を随時設置予定)
<必要書類>
・ 確定申告書類
・ 対象月の売上台帳等わかるもの
・ 通帳のコピー
・ (個人事業主のみ)本人確認書類
■ 小規模事業者持続化補助金
郵送またはJグランツよりオンライン申請(GビズID必要)
<必要書類>
・ 様式1(押印)
・ 様式2
・ 様式3(コロナ特別の場合、商工会または商工会議所が記入)
・ 様式4(一般型の場合、商工会または商工会議所が記入)
・ 様式5(一般型のみ)
・ 直近1期分の確定申告書等(法人の場合貸借対照表および損益計算書)
・ その他加点資料
まとめ
持続化給付金 | 持続化補助金 |
要件に該当し、書類に不備がなければ原則、計算式で出された金額がもらえる。 現在、申請は一回のみ | 正式名称「小規模事業者持続化補助金」。要件に当てはまっていても、審査があり、持続的な販路開拓に該当しないと認められると不採択もある。 原則、先に投資し、完了後清算払いとなる。 減点措置はあり、一部申請できない要件もあるが、何度でも申請可能。2020年開業者でも申請できる。 |