きたごう行政書士事務所よりお知らせ

中小企業庁長官の年頭所感を読む

毎年、元旦に中小企業庁の長官殿は、「年頭所感」というものを出されます。

経済産業省の梶山大臣も年頭所感を出されておりまして、そちらの内容はコチラから。

どちらもお役人様が文章を作成されているのでしょうから、せっかくなら中小企業庁の前田長官の「年頭所感」を精読し、今年はどういった事を中小企業として行っていきたいのか、考えて行こうと思います。

まずは中小企業庁、前田長官の年頭所感をご覧ください。

コチラです。

上記を読んでゆこうと思います。

本年も引き続き、万全の資金繰り対策による事業継続と、感染拡大防止への対応との両立を図ってまいります。加えて、ポストコロナに向けてビジネスモデルや事業を再構築させていくことも重要な課題となっています。中小企業庁では、こうした中小企業・小規模事業者の皆様の課題解決を支援してまいります。

中小企業庁長官年頭所感より引用

引き続きというのは、利子補給のある実質無利子・無担保による融資と5年間元本据え置き融資のことかと思います。

ポストコロナに向けてビジネスモデルや事業を再構築~のあたりは経産省の令和2年度第三次補正予算に盛り込まれている「事業再構築促進事業」を行ってゆくということでしょうか。

第一に、中小企業・小規模事業者の皆様は、人口減少に伴う弱い内需等の課題に直面、さらには働き方改革、社会保険の適用拡大、インボイス導入など、今後相次ぐ制度変更にも対応していく必要があります。
そのためにも、生産性向上への取組は大変重要です。昨年より「持続化補助金」、「ものづくり補助金」、「IT導入補助金」を「生産性革命推進事業」として一体運用した上で、複数年にわたり通年公募する仕組みを実現いたしました。生産性革命推進事業や事業再構築支援を通じ、低感染リスク型のビジネスモデルへの転換やテレワーク環境の整備等、感染症の影響を乗り越えるべく前向きな投資を行い、生産性の向上を目指す皆様を支援してまいります。

中小企業庁長官年頭所感より引用

コロナで厳しいですが、総賃金の上昇要件といった補助金の要件に関しては上記を読む限り緩和はなさそうです。

それから「中小企業生産性革命事業」は予定通り今年も実施のようで、それに関してはよかったなと思います。

第二に、中小企業の経営者の高齢化に加え、感染症の影響により、休廃業・解散が加速するおそれがあります。地域の貴重な技術や人材等の経営資源の散逸を回避するため、「事業引継ぎ支援センター」を通じた企業間のマッチング支援や、事業引継ぎ時の専門家活用費用や事業承継・引継ぎ後の経営革新への支援等の様々な支援策により、中小企業の経営資源の集約化を全力で推進してまいります。
さらに、中小企業再生支援協議会に対する相談が急増しております。再生計画策定の要望に十分に応じられる体制整備を行ってまいります。

中小企業庁長官年頭所感より引用

ずっと言っていますが、「事業承継」「経営資源引継ぎ」に関しては、加速してゆくようです。ここで出てくる「事業引継ぎ支援センター」というのは中小機構が運営する支援機関の事で、各都道府県にセンターが設けられております。

ポータルサイトはコチラです。トップページの画像が意味深ですがクセがあるだけで意味はないと思います。

また、3次補正予算にも「事業承継・引継ぎ」に関する予算が盛り込まれておりまして、「事業承継・引継ぎ補助金」が成立後に開始されると思います。

第三に、取引の適正化も極めて重要な課題であると考えております。感染症の影響が長引く中で、経営基盤の弱い中小企業に、一方的な取引の停止や適正なコスト負担を伴わない短納期発注などの取引におけるしわ寄せがあってはなりません。下請Gメン等を活用し、中小企業の取引条件の改善を図り「しわ寄せ」を防止することで、大企業と中小企業が共に成長できる環境の整備に取り組んでまいります。

中小企業庁長官年頭所感より引用

これもここ数年、ずーっと経産省でも中小企業でも課題としてあげている、下請け取引額の適正化ですが、継続です。

コロナで不景気になってしわよせが中小にゆく可能性もありますので、ここは国として監視をお願いしたいところです。

継続してゆくという方針でした

年頭所感を拝読させていただきまして、今年なんかは特に。感染症の影響がえげつないので、昨年から行っている支援策を継続してゆくという方針のようです。

新たに、事業再構築促進事業なども行われるようで、やはり喫緊の課題に取り組んでゆくようですね。

経産省では脱炭素エネルギーなど環境問題に関しても環境省と行ってゆくようですが、とりあえず中小企業としては、この未曾有の事態を乗り切ってゆく事が第一ですね。