きたごう行政書士事務所よりお知らせ

令和3年度補正予算 小規模事業者持続化補助金 一般型公募要領公開(審査基準・加点項目について)

公募要領が公開され、新たな経費区分の「ウェブサイト関連経費」が大きなインパクトですね。

では、前の記事に引き続き、公募要領を見て行こうと思います。

申請手続きについて

今回は前回までの特別枠であった「低感染リスク型ビジネス枠」では任意提出であった、商工会または商工会議所からの、「事業支援計画書」の交付を受けなければなりません。

これまでも一般型はこの「事業支援計画書」が必須だったのです。

通称「様式4」と言いますので、以下「様式4」と表記させていただきます。

申請までにこの様式4を事業所を管轄する商工会または商工会議所に交付依頼をしなければいけないので、それまでに経営計画書を記載しなければなりません。

手ぶらで行っても交付されることはないでしょう。

この様式4は事業者が直接商工会または商工会議所に行き、しっかりと説明の上、経営計画書の添削指導を受けて、それから交付されるものになるので、できるだけ余裕をもって事業計画をたてましょう。

そしてギリギリは商工会も無理という事で、様式4交付の締め切りも設けられております。

申請締切が6月3日ということで、その1週間前にはどんなに遅くとも商工会または商工会議所に持っていきなさいという事です。

持っていくのは事業者本人で、申請サポートを行う人単体ではいけないですし、商工会または商工会議所によっては同席も拒否されることがあります。

まして新型コロナウイルス感染症の影響もあり、接触人数は絞りたいところでしょうからね。

審査基準について

補助金には審査があり、審査基準によって審査されます。

より良い計画が採択となり、競争型になります。

審査は①基本審査と、②書面審査 そして、③ 政策加点が行われます。

① 基本審査とは、

①必要な提出資料がすべて提出されていること
②「2.補助対象者」(P.5)・「3.補助対象事業」(P.6) ・「4.補助率等」(P.7)の要件に合致すること
③補助事業を遂行するために必要な能力を有すること
④小規模事業者が主体的に活動し、その技術やノウハウ等を基にした取組であること

とあり、少なくとも満たさなければならない「適格要件」ということになります。

④だけ簡単に説明しますと、小規模事業者の取組であるに関わらず、実際は親会社の傀儡であったり、事業を全て他社に丸投げや事業計画の策定・補助金の申請を支援機関に丸投げしてしまうことで、こういうことは「主体的に」行われているとはいえません。

そして、②の書面審査ですが、

①自社の経営状況分析の妥当性
○自社の経営状況を適切に把握し、自社の製品・サービスや自社の強みも適切に把握しているか。
②経営方針・目標と今後のプランの適切性
○経営方針・目標と今後のプランは、自社の強みを踏まえているか。
○経営方針・目標と今後のプランは、対象とする市場(商圏)の特性を踏まえているか。
③補助事業計画の有効性
○補助事業計画は具体的で、当該小規模事業者にとって実現可能性が高いものとなっているか。
○地道な販路開拓を目指すものとして、補助事業計画は、経営計画の今後の方針・目標を達成するために必要かつ有効なものか。(共同申請の場合:補助事業計画が、全ての共同事業者における、それぞれの経営計画の今後の方針・目標を達成するために必要か。)
○補助事業計画に小規模事業者ならではの創意工夫の特徴があるか。
○補助事業計画には、ITを有効に活用する取り組みが見られるか。
④積算の透明・適切性
○補助事業計画に合致した事業実施に必要なものとなっているか。
○事業費の計上・積算が正確・明確で、真に必要な金額が計上されているか。

自社の地に足を付けた、実現可能な計画で、創意工夫があるか、市場の特性を踏まえているかなどが審査されます。

また、過去に採択された事業者は減点措置が取られます。直近3年以内にこの補助金を交付された事業者はその事業との相違点も明記してゆく事が必要となります。

そして③政策加点審査ですが、こちらは今回から加わった加点もありますので、少し見て行こうと思います。

政策加点審査

書面審査のほか、下記の要件に合致した計画であれば、「加点」といってプラスになりますよ。といったものが、この政策加点です。

具体的に今回の募集にある条項を見て行こうと思います。

パワーアップ加点として、地域資源型と地域コミュニティ型が挙げられています。

地域資源型に関しては、事業所の資源(特産物や成長する分野)を活かして、さらに良いものやサービスを作り上げ、地域外の人に販売するなどの手法

例えば、静岡県駿東郡小山町であれば、富士山という観光「資源」を活用し、新たなサービスを開発。ポストコロナを見据えて他県の観光客を呼び込む取組を行う。など、だいたいこんなケースだと思います。

地域コミュニティ型では地域課題の解決に、特有のニーズに応えるサービス。

例えば高齢化や過疎化が進む地域で、移動食料品販売を行い、需要喚起を図る。など、こういった取組が挙げられるかなと思います。

パワーアップ加点欄への記載ですが、下記あたりを参考に書くと良いでしょう。

赤字賃上げ加点

業績が一時的に赤字(直近期末の課税標準額がゼロ)の事業者であるにもかかわらず、従業員の賃上げを行う責めた事業者には加点しますということです。

もちろん無茶をした計画ではダメなので、事業の回復見込みと今回の補助事業がどう賃金上昇に寄与するかを経営計画に記載してゆくべきでしょう。

経営力向上計画の認定を受けている事業者は、加点になります。基準日とは、今回の公募にあたっては、3月31日までの認定が加点になります。

おそらく第8回~第10回はこれから認定を受けようと思っても間に合いませんが、この経営力向上計画はそれだけでもメリットのある計画ですので、認定のご検討を行ってもよいかもしれません。

経営力向上計画策定の手引き

電子申請加点ですが、郵送応募ではなくオンライン申請を行ったときは加点になります。

よほど何か事情がない限り、オンラインで申請したほうが良いでしょう。

事業承継加点ですが、実際に事業承継は小規模事業者の大きな課題であり、今回の応募類型にも「事業承継枠」があります。

アトツギ甲子園に出ていなくても事業承継を伴う事業計画の場合は上記の要件を満たすことで、加点になります。

東日本大震災で大きな影響を受けた地域の事業者は、加点になります。

過疎地域加点で、「過疎地域」とは、上記の「過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法」(過疎法)で定められている過疎地域の事を言います。

この「過疎地域」に該当するかどうかは各自治体にお問い合わせください。

実施期間

第8回の補助事業の実施期間は、「交付決定日から2023年2月28日(火)まで」、実績報告書は「2023年3月10日(金)」までに提出となっております。

6月3日に締切となり、

採択発表が7月中旬~末

交付決定が8月となると

早くて8月中旬~翌年2月末までの6~7か月程度の実施期間となります。

この期間内に、発注、納品、検収、支払いまでを完了する必要がありますのでご注意ください。

次回は申請書のうち(様式2)の注意点を見て行こうと思います。