小規模事業者持続化補助金の採択後の手続き
11月25日に小規模事業者持続化補助金 第9回の採択発表がありました。
ここのところ、ものづくり補助金や事業再構築補助金のお話を中心に採択後のお話をこちらでさせていただいておりますが、今回は小規模事業者持続化補助金の採択発表後のお話をします。ざっと概要です。
まず、最初は「待ち」
採択発表後、すぐに事業に取り掛かりたいお気持ちはわかりますが、小規模事業者持続化補助金の場合、最初は「交付決定通知書」が届くまで、「待ち」になります。
他の補助金ですと「交付申請」という手続きを行うのですが、小規模事業者持続化補助金の場合、申請時に「様式5(交付申請書)」を提出しております。
この場合、原則的に「待ち」になりますが、経費の修正などの連絡が事務局より届くこともあります。その場合、その補正を直してから交付決定通知が届くことになりますので、粛々と対応し、はやる気持ちを抑え、ぐっと待ちましょう。
早ければ採択発表から1~2週間程度で届きます。
一時期、1か月経っても届かないなどの問題もありましたが、最近は不備がなければ上記の期間で届くようになっているようです。
交付決定通知書が届いてからスタート
事業のスタート(経費支出)は上記の交付決定通知が届いてからになります。
採択発表から交付決定通知が届くまでの間に支出した経費や契約は、対象経費に入れることが出来ないのでご注意ください。
さて、ここから実際にチラシを作成したり、設備を導入したり、事業を期限までに終わらせます。
ここで注意点ですが、完了審査のことを考えながら進めましょう。
経費の支出や収集する書類についてちょっとでも不明点があれば「商工会議所」または「商工会」にちょっと相談しましょう。何事も事前が肝心。
ホント、後の祭りにならないような書類収集が大切です。
収集しておくべき書類とポイント
見積書の記載ですが、日付、商品名、宛先、数量、金額です。
ここで「数量」ですが、できるだけ「一式」という表記でなく内訳を記載してもらうようにご依頼ください。
そして特殊なカスタマイズを行う場合、事前に「見積依頼書」が必要な場合もあります。
これが要るかどうか、管轄の商工会・商工会議所とよくご相談ください。
また、税込100万円以上の支払いがある場合または中古品の購入は2者以上の相見積が必要です。
ただし、その設備の性質上(国内で取引が1社しかない設備や特許設備)、相見積が取れない場合は選定理由書の提出で代行できます。
発注書や契約書をしっかり発行してください。
発注・契約先、発注・契約日、発注・契約者、発注・契約内容の記載が確認できるものの記載が必要です。
こちら受注確認書や請書も必要になる場合もあります。
こちらは紙でも電子契約でも大丈夫です。
設備を購入、チラシを作った、ウェブサイトを作った場合、成果物を提出します。
あらかじめ、成果物をとっておく、チラシも配った場合は配布先リストを残しておく、ウェブサイトのスクショやDVDにページ遷移を記録しておく、設備の写真を撮っておきましょう!
物品が納品される際に納品書を発行してもらいましょう。
また、サービスの場合は完了報告書などになります。
できれば日付入りの検収印があればとも思います。検収書を発行する場合はその書類も残しておきましょう。
請求書ですが、設備やサービス提供をうけた事業者から代金を請求されたことの証拠書類です。
あまり最近はないと思いますが、口約束とかほかの補助事業以外の請求と一緒にせずに、しっかりと請求日・宛先・取引先名・品名・数量・単価・請求金額・支払先の口座・支払い条件が明示された請求書をもらいましょう。
ちょっと注意なんですが、複数回にわけて支払う場合。
例えば「前金」と「完了後」で半分づつ支払う場合なんですが、双方に上記の内容を記載してもらい、発行してもらうか、それぞれ前金分でこれだけの内容、完了分で残りのこれだけの内容とかわけてもらうと良いかなと思います。
これに関してあまり問題になったことはないのですが、しっかりと「何に対しての請求か」がわかることが必要です。
仮に複数回にわけて支払う条件の場合は、契約書に明記や見積り、または全額の請求書をもらい、そこに支払い条件を記載してもらうなど、商工会などに相談するようにしてください。
基本は領収書と通帳のコピーです。ネットバンキングの記録のPOでも可です。
領収書で多いのが宛名と但し書きが空欄になっているなどそれで不備になることもありますので、注意が必要です。
支払いは原則、銀行振り込みです。
クレカの場合は引き落としが分かる通帳の写しで対応ができますが、リボ払いなど分割の場合、期間内に支払が終わっていない(完済していない)と「全額が対象外」になってしまうので気を付けて下さい。
小切手や相殺は一切認められていません。
提出する書類を揃える
事業完了から30日以内に書類を揃えて事務局に提出します。
上記の証拠書類に加えて記載する書類もあります。
様式第8に必要事項を記載します。
成果の概要、もたらす効果、改善点などを記載します。
別紙3と呼ばれます。ワードとExcelがありますが、双方記載します。
証憑番号は管理番号となるので、それに従い証拠書類をまとめてゆきます。
また、消費税の取り扱いについては、こちらの記事をご参照ください。
注意事項ですが、様式8は押印が必要です。時代的にどうなの?とか思いますが、必要ですので押印してその原本を提出となります。
その他書類のまとめ方に関しては手引きを見ながらひとつづつ行ってゆきます。
結構、時間もかかるので事前に準備や段取りをしっかり整えておくことが必要です。
提出方法
なんと郵送です。で、多くの書類の郵送が必要になります。
ゆうパックが個人的にはお勧めですが、書留でも良いかと思います。
書類の郵送となりますので、「宅配便」はダメです。持参してもダメです。
補助金が交付されても、書類は捨てないで!
首尾よく完了検査が終わり、補助金が振り込まれました。
はい、多くの紙資料なんかはシュレッダー!としたいところではありますが、これはやはりお役所の事業です。
書類は5年間保存する義務があります。
また1年後には事業化報告する必要もあるので、しっかり補助事業を推進してゆくことが大切です。
管轄の商工会・商工会議所に困ったらすぐ相談!
直接事務局に問い合わせても電話がつながらなかったり、個別の案件には一般的な回答しか得られなかったり、不明点が残るままの事もあります。
お近くの様式4を発行していただいた商工会・商工会議所に相談に行きましょう!
電話で聞いてもいいですし、実績報告前に最低2回くらいは進捗を聞いてもらって成果物をみてもらって・・など指導を受けることをお勧めします。
キタゴウ行政書士事務所では少しでも負担を減らすお手伝いをしております!