きたごう行政書士事務所よりお知らせ

「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」とは何なのか。解説します。

さて、今回は「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」についてお話ししようと思います。このガイドラインとは何か、ざっくりと冒頭で申し上げますと、サービスを提供するサービス業などの事業者で「生産性向上」とはどういった事を指すのか?の指針になります。

ガイドライン全体はこちらの資料をダウンロードしてください。
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/shinpou/2020/200218shinpou05.pdf

一般的に、「生産性向上」という言葉でピンとくるのは製造業などの業種で、製品を作る工程の効率化や設備導入などで生産性を高めて行く。と、ざっくりとイメージが出来ますが、サービス業の場合、そもそも「生産」という言葉になじみが無かったりします。

そんな事業者にも「生産性向上」という言葉をあてはめて考えて行こうとする指針ですね。

さらに、ものづくり補助金では明確に、

応募申請する事業分野(「試作品開発・生産プロセス改善」又は「サービス開発・新提供
方式導入」)に応じて、事業計画と「中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する
指針」又は「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」との関連性を説明し
てください。

と、このガイドラインとの関連性を記載しなさいとあります。

前置きが長くなりましたので、早速見て行こうと思います。

労働生産性の向上という考え方

このガイドラインでは、指標として「労働生産性」という数値を指標としております。

この労働生産性というのは「一人当たりの付加価値額」として、計算するには下記の計算式を用います。

会社の付加価値額を従業員数で割るという事ですね。要は会社の提供する価値に対して単純に従業員ひとりあたりでどのくらいの価値を生み出しているかという指標です。

それを向上させようということで、上記の計算式でやった場合、単純に従業員を増やした場合は1人当たり付加価値額は下がってしまうことにもなりますし、まぁ、あくまで指標や考え方という事です。

ということで、サービス業の生産性向上とは、「付加価値額(営業利益、人件費、減価償却費)を高め」てゆき、効率化を図るというテーマで話が進んでゆきます。

具体的にはこのような項目となっております。

中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドラインより引用

「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」との関連性を説明 とは、どういったことか。

上記ガイドラインの「第2章 事業コンセプト」の項目は読んでおいていただければと思います。「誰に」「何を」「どうやって」「どうする」、PDCAサイクルを通じた生産性の向上について書かれている項目となります。

さて、このガイドラインと自社の事業との関連性を示せ。ということですが、こちらについてお話ししようと思います。

中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドラインより引用

さて、上記の表はそれぞれの項目をPDCAサイクルにザックリと分類されているものになります。この「誰に」「何を」「どうやって」そして効率の向上の「どのように」を踏まえて、項目ごとに関連性を示し、説明してゆきます。

【誰に】新規顧客層への展開、商圏の拡大

事業内容のいわゆるターゲティングになります。新サービスで「新規顧客層」にアプローチしてゆく、またはあるいは同時に、商圏を広げてゆくか。そういう話です。

ここでいう「新規顧客層」とは、属性の違う顧客層に対するという意味で、たとえば、小売業で、これまでは20代~40代女性向けの化粧品販売を行っている事業者が、新規に男性向けフェイスケア用品を売り出す。という事業がこれに当たります。

例えば既にAさんというお客さんがいて、まだみぬ同じ属性を持つBさんを獲得してゆこうということは「新規顧客層」ではないのでお気を付けください。

そして「商圏の拡大」ですが、たとえば士業事務所で、これまでは事務所の存する市区町村のお客様に対してサービスを行ってきたが、オンライン相談やオンライン申請の仕組みを上手く活用する事で、全国の潜在お客様に対してサービスを展開するといった取組がこれにあたります。

既存のお客様に既存の製品の売り上げを上げて行く。という場合は上記にはあてはまりませんので注意が必要です。

【何を】独⾃性・独創性の発揮、ブランド力の強化、顧客満足度の向上、価値や品質の見える化

この項目は、革新的サービスとは。といったことと密接にリンクしますので重要項目です。

「独自性・独創性の発揮」とは、自社の優位性を伸ばしたり、課題を解決し、「自社ならでは」のサービスを開発して、かつ、顧客目線で選ばれるサービスを展開してゆこうという事です。独自性と言っても「世界初」とか「日本初」とか大それたものではなくても商圏内、業界内であまり例を見ないというか、「他社には真似のできない」ものであるということが必要です。

「ブランド力の強化」に関しては自社ブランドのさらなる満足度の向上といいますか。サービスや商品のバラつきをなくしたり、価値提供で信頼を上げて行こうという取組です。このためには例えば提供するサービスの内容に合わせて、自社の内装イメージを展開したり、スタッフの振る舞いや言葉遣いを教育したりそういった取組が必要だったりしますね。コンセプト的な考えでもあるかと思います。

「顧客満足度の向上」に関しては、もうサービスに関してより顧客ニーズに合わせて時折の変化や、恒久的なニーズマッチを満たしてゆくような取り組みもこれにあたります。顧客満足度の向上はやはり評価基準は顧客のニーズや市場ニーズの有無を検証する必要もあります。

「価値や製品の見える化」提供するサービスが無形の物もあるかもしれません。当事務所のような士業もいわゆる無形のサービスを提供しており、一概にその品質が評価されにくい部分もあろうかと思います。もっと言えば、「最高品質の金麦」というワードもCMで見るとフワッとしていませんか?最高品質ってなんやねん。みたいな。どこ基準で?みたいなことを、顧客にわかりやすく可視化することで、サービスの質を高めてゆこうというものです。

ここの項目の関連性が、いわゆる「革新性」の説明でもあるので、しっかり検討しましょう。

【どうやって】機能分化・連携、IT 利活用(付加価値向上に繋がる利活用)

「機能分化・連携」ですが、ちょっとわかりにくいですよね。いわゆる自社のサービスに対し外部連携は必要になってくると思います。自社の提供するサービスに最大限の付加価値を提供するため、どうプロセスを分化し、外部と連携をとってゆくか。まぁ、手前勝手な話で例をあげるのもなんですが、補助事業に集中するために煩雑な報告の事務作業は行政書士事務所や税理士事務所と連携してやってゆく。とかです。これはものづくり補助金には書けませんけどね。

「IT利活用(付加価値向上に繋がる利活用)」は、IT利活用には効率の向上という側面があり、ここではITを利用し活用して、サービスの質を高めて行こうという側面でのお話になります。実はこの公開されているガイドラインが平成27年のものであり、具体的な付加価値を与えるIT利活用が記載されていないんですよね。ガイドラインにはビッグデータの活用なんて言っておりますが、まぁ、最近では当たり前で革新的とはいえませんが、POSレジ導入で顧客データを収集し、今後のマーケティングに活かすなんていう取り組みも紹介されております。

【効率の向上】サービス提供プロセスの改善、IT利活用(効率の向上に繋がる活用)

なかなか増員も難しいこのご時世ということも踏まえて、それでも付加価値を高めてゆくための取組に関し、ただ社員全員が死ぬまで働けということではなく、しっかりと効率も上昇し、今あるリソースを有効配置したり、機械化したり、プロセス改善をはかって無駄をなくし、コストの削減につなげようということです。

「サービス提供プロセスの改善」とは効率化の最たる手段で、よく言われますが「暗黙知の形式知化」で、作業標準化、マニュアル化を図っていったり、レイアウトの変更を行ったり、人員体制、リソースの再配置も含めての教育体制の構築などこういったことです。

「IT 利活⽤<効率化に繋げるための利活⽤>」は、IT利活用の本来の使い方的な側面で便利ツールを活用して効率をあげようという取組です。ZOOMを使って会議のオンライン化やKintoneや請求システムなどの活用。いまでこそ当たり前で不可欠なのかもしれませんが、逆に今の令和の時代だからこそ、こうした利活用を効果的に行う手法も工夫が求められるのではないでしょうか。

無理に全項目を埋める必要はない

あえていいますが、無理くりで全項目を埋めて説明する必要もありませんが、少なくとも「何を」サービスの内容に関してのガイドラインとの関連性は2つくらいに関連していると客観的に見ても「革新的」ともいえるのではないかなと思います。

事業計画を策定される際は特に参考にしてみてください

ものづくり補助金では上記のように、関連性を記載する事が必須となっておりますが、ほかの例えば事業再構築補助金、小規模事業者持続化補助金では指針としてこのガイドラインに沿って考えをまとめてゆく事はとても有益です。

事業の流れは時に思いもよらない市場の変化や環境の変化がありまして、一本筋を通したつもりでも、ブレてしまいがちになるのも事実です。

ブレてもその都度、このガイドラインを参考に、アップデートしてゆく事で軌道修正も可能です。もちろんこのガイドライン自体がちょっと前の物なので万能ではありませんが、事業計画の言語化には少なくとも役に立つものです。

もし、「このガイドラインしたがって計画を作ってみたい!でもまだ理解が追い付かない!」といったお悩みなどがあれば、一緒に言語化してゆきましょう!

ものづくり補助金の事業計画書にどうやって関連性を記載するべきか。この辺のお話もご相談受付いたしますので、お気軽に!

対象地域

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サポートの流れ(補助金申請の場合)

  1. お問い合わせ (メール、またはお電話にてご連絡をお願いいたします)
  2. 予診 (30分 ZOOMまたはご来所の場合無料、補助金についてのご説明、お見積り、ご相談)
  3. ご契約 (当事務所のサポート内容、重要事項説明をさせていただきます。)
  4. ヒアリング(補助事業の内容、加点申請の有無、現在の事業について、など2回~5回のヒアリングを行います)
  5. 申請サポート(事業計画、加点申請等、申請まで伴走してサポートいたします)

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サービス内容料金
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