きたごう行政書士事務所よりお知らせ

ものづくり補助金の「人件費」と「給与支給総額」の違い(イマサラ聞けない!という人のため用)

ものづくり補助金の場合、申請要件に「給与支給総額年率1.5%の上昇」と「地域別最低賃金+30円」が必ず達成すべき要件として示されています。

さて、この要件がものづくり補助金に追加されてからずいぶん経ちますが、ここで振り返り。ということで、「人件費」と「給与支給総額」の違いについて解説します。

はじめてものづくり補助金や経営革新計画に挑戦する方、はじめて支援を行う専門家の方。今更聞けないといわずに、どうぞ確認の意味でもご覧ください。

「人件費」とは

労働に対して給与のほか、各種手当も含んだものが、この人件費に当たります。

ものづくり補助金のよくある質問には以下の内訳が示されています。

[含まれるもの]
・売上原価に含まれる労務費(福利厚生費、退職金等を含んだもの。)
・一般管理費に含まれる役員給与、従業員給与、賞与及び賞与引当金繰入れ、福利厚生費、退職金及び退職給与引当金繰入れ
・派遣労働者、短時間労働者の給与を外注費で処理した場合のその費用
ただし、これらの算出ができない場合においては、平均給与に従業員数を掛けることによって算出してください。

ものづくり補助金「よくある質問」より

給与以外に、福利厚生費や法定福利費、派遣労働者の外注費などがこれに当たります。

また、個人事業主の場合は、

人件費=福利厚生費+給料賃金(⑲+⑳)

で、定義する数値です。

給与支給総額とは

上記、人件費が各種手当も含まれているものであるので、単純に言えば、福利厚生費や退職金などを人件費から差っ引いた数値になります。

ただし、住宅手当や役員報酬などは含まれます。下記をご覧ください。

[含まれるもの]
・従業員や役員に支払う給料、賃金、賞与
・各種手当(残業手当、休日出勤手当、職務手当、地域手当、家族(扶養)手当、住宅手当等の給与所得とされるもの)
[含まれないもの]
・退職手当などの給与所得とされないもの
・福利厚生費

ものづくり補助金「よくある質問」より

給与所得や賞与は含まれますが、福利厚生費、退職手当などは含まれません。

もっとザックリいうと人件費-福利厚生費-退職金=給与支給総額 です。

個人事業主の場合は「専従者給与」個人事業主の「所得」もここに含まれます。

給与支給総額=給料賃金+専従者給与+青色申告特別控除前の所得金額(⑳+㊳+㊸)

で、定義する数値となりますね。

ものづくり補助金では、給与支給総額の上昇を目指してゆくことになる。

ものづくり補助金の場合の要件の定量的評価として「人件費」の数値は付加価値額の算出に用います(付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費)、そして給与支給総額は年率1.5%以上の上昇がマストとされていますので、人件費と混同しないようにだけお気をつけて。

【おまけ】まれに起こりうる想定外の事態。ものづくり補助金 給与支給総額 上昇編

【給与支給総額の上昇を目指していたけれど、事業期間中に従業員がやめてしまった!】

補助事業の途中、なんらかの事情で従業員が自己都合退職してしまった場合、単純に給与支給総額は大きくダウンしてしまうので、年率1.5%の上昇が未達になってしまう恐れがあります。

こんな場合は事務局に速やかに相談してください。

また、給与支給総額を用いることが適切ではないと解される特別な事情がある場合には、給与
支給総額増加率に代えて、一人当たり賃金の増加率を用いることを認めます。

ものづくり補助金 14回 公募要領より

この「給与支給総額を用いることが適切ではないと解される特別な事情」というのが上記の従業員の退職などを想定しているようです。

正直、こればっかりは仕方ないですからね。辞めたい人を無理やり辞めさせないほうがなんだかんだややこしいことになりますからね。

こんなお悩みありませんか?

・ものづくり補助金の申請サポートをすることになりました。こっそりアドバイスください
・ものづくり補助金の用語とかよくわかりませんが、誰に聞いたらよいかわかりません。

下記のサイトをお読みいただき、お気軽にメールいただければと思います。

まずは30分、ざっくばらんにお話ししましょう。