きたごう行政書士事務所よりお知らせ

【事業承継・引継ぎ補助金】公募要領を読む(専門家活用型)

事業承継・引継ぎ補助金の第5次公募が始まりました。

結構、注目度の高い補助金ですが、活用できるシーンが限られている事や、難易度が比較的高い。ということもあり、過去4回の申請者の平均は775者となっております。

事業承継やM&Aなどある程度課題であってもタイミングといったことが重要になってくるのかなとも思いますが、今回は活用などをお考えの方に、第5回に向けて公募要領を読んでゆこうと思います。

なお、公募要領は3月17日時点のもので、随時最新の公募要領をチェックするようにしてください。

今回は申請枠で一番多い「専門家活用型」の公募要領を読んでゆきます。一部抜粋したナナメ読みです。詳しくは下記で公募要領をご覧いただくか、一緒に読み合わせをしますのでお気軽にお声かけくださいませ。

公募要領はコチラよりダウンロードください!

そもそも「専門家活用」とはどういうことか

そもそもこの補助金の言う「専門家活用型」とはどういったことか。公募要領を読みながら解説してゆきたいと思います。

事業の目的

中小企業生産性革命推進事業 事業承継・引継ぎ補助金(以下、「本補助金」という。)は、中小企業者及び個人事業主(以下、中小企業者と個人事業主を総称して「中小企業者等」という。)が事業承継、事業再編及び事業統合を契機として新たな取り組みを行う事業等(以下、「本事業」という。)について、その経費の一部を補助することにより、事業承継、事業再編及び事業統合を促進し、我が国経済の活性化を図ることを目的とする。 本事業のうち、事業再編・事業統合に伴う中小企業者等の経営資源の引継ぎに要する経費の一部を補助する事業として、本公募要領においては、専門家活用事業における「買い手支援型」、「売り手支援型」の2類型(以下、総称して「本補助事業」という。)について定める。

公募要領より

翻訳しますと、「この補助金は事業承継や事業再編・統合を契機として新たな取り組みを行う事業者の経費の一部を補助します。そのうちこの専門家活用型では経営資源の引継ぎの経費を「売り手型」「買い手型」両面から支援しまってことを定めています」

もっと要約してザックリ行ってしまいますと、M&Aの買い手や売り手の専門家使う経費を補助します。と、まぁ、こういうことです。

支援類型について

買い手型、売り手型についてですが、下記の通りです。

事業・会社を買う側、売る側のことです。

薄々、感じているとは思いますが、この枠は「M&A」での専門家費用を支援する枠です。

例えば親族内承継で経営革新を目指す~などの場合は「経営革新型」をご検討いただくことになろうかと思います。今回は専門家型のみのお話をしますね。

経営資源引継ぎの要件

このそもそも事業が「経営資源引継ぎ」を行うか、が申請の要件になっておりまして、そのうち補助対象者に当たる者がこの補助金の申請をすることが出来ます。

6.1. 経営資源引継ぎの要件
補助対象事業となる経営資源引継ぎは、補助事業期間に経営資源を譲り渡す者(以下、「被承継者」という。)と経営資源を譲り受ける者(以下、「承継者」という。)の間で事業再編・事業統合が着手もしくは実施される予定であること、又は廃業を伴う事業再編・事業統合等が行われる予定であることとし、後述する「6.2. 経営資源引継ぎ形態に係る区分整理」で定める形態を対象とする。 なお、承継者と被承継者による実質的な事業再編・事業統合が行われていない(例:事業再編・事業統合を伴わない物品・不動産等のみの売買、グループ内の事業再編及び親族内の事業承継等)と事務局が判断した場合は対象外とする。

公募要領P8より

区分整理はどうぞ公募要領を読んでいただきたいのですが、買い手(承継者)が、法人でも個人事業主でも、事業について事業再編・統合が行われ、または行われる予定であることで、それが単なる不動産の売買ではなく、実質的に事業を承継することが要件です。

申請が不可ですよーという例も載っておりますので転載します。

補助対象事業

(1) 補助対象事業は、以下の①または②に該当すること。
① 買い手支援型においては以下の2点を満たすこと
■ 事業再編・事業統合に伴い経営資源を譲り受けた後に、シナジーを活かした経営革新等を行うことが見込まれること。
■  事業再編・事業統合に伴い経営資源を譲り受けた後に、地域の雇用をはじめ、地域経済全体を牽引する事業を行うことが見込まれること。
② 売り手支援型においては以下の点を満たすこと
■ 地域の雇用をはじめ、地域経済全体を牽引する事業等を行っており、事業再編・事業統合により、これらが第三者により継続されることが見込まれること。

公募要領P11より(一部読みやすいように編集)

ただ事業を買収してそのままというのでは補助金出す意味もないので、っていうことでしょうが、対象事業として上記の要件が課せられております。

買い手型においては譲り受けた経営資源と自社の強みと相乗効果を持って経営革新しろ、地域経済を牽引する事業を行え、売り手型においては既に地域経済を牽引するような事業を行っていて、事業を売った後は第三者が継続してくれるようにしなさいよ。ということです。

補助対象経費

専門家活用型というくらいですから、専門家への謝金などを対象に出来ます。

ちょっとスペースをいただき、少し一部の経費について詳しく見てゆきましょう。

謝金

まぁ、お礼のお金ですが、対象となるのは、「補助対象事業を実施するために必要な謝金として、専門家等(士業及び大学博士・教授等に限られる)に支払われる経費です。

対象外となるのは、下記の通り。謝金ではなく「委託費」で計上しろというもの。それ以外のコンサル(例えばこの補助金に申請を行うためのコンサルや経営革新計画の承認申請など)は対象外です。

・経営資源引継ぎ以外の目的で行われたコンサルティング費用
・本補助金に関する書類作成代行費用  ファイナンシャルアドバイザー(以下「FA」という。)・仲介費用(「委託費」の整理となります)
・その他委託契約に基づく費用(「委託費」の整理となります)

委託費

そしてその「委託費」です。FAや仲介に係る費用で、下記のようなものが対象となります。

ただし、大事なこととして、これは公募要領より引用しますが、

ただし、委託費のうち、FA業務又は仲介業務(注1)に係る、相談料、着手金、マーケティング費用、リテーナー費用、基本合意時報酬、成功報酬、価値算定費用等の中小M&Aの手続進行に関する総合的な支援に関する手数料については、「M&A支援機関登録制度」(以下、「登録制度」という。)に登録された登録FA・仲介業者が支援したものに限り対象とします。 なお、登録FA・仲介業者によるFA又はM&A仲介費用について本補助金を利用した場合は、事務局から補助事業対象者が利用した「M&A支援機関登録制度」に登録された登録FA・仲介業者に関する情報をM&A支援機関登録事務局に対して情報提供し、登録FA・仲介業者による実績報告に関する業務に利用するためあらかじめ留意すること。
(注1) 具体的には中小企業とFA業務又は仲介業務に係る契約(契約の名称や形態を問わない。)を締結する者とし、譲渡側・譲受側に対するマッチング支援や中小M&Aの手続進行に関する総合的な支援を行う者、又は中小M&AのFA業務又は仲介業務に係る、相談料、着手金、中間報酬、成功報酬等の手数料を受け取って支援を行う者とします。

公募要領P47

ここで委託費としてあげるのであれば、その相手が「登録制度」に登録された事業者が支援したものに限られるという事です。

また、ちょっと重要な事なのでもう一つ言いますと、デューデリなどのみを行う士業などは登録不要です。ただしM&Aを実質的に業務として支援する場合は登録が必要、つまり、デューデリのみを行うために外部委託している場合や、行政書士に許認可だけお願いする場合などは登録していなくても対象になります。
また、どうでもよいことでもないのでしょうが、士業は相見積もりを取られるのを嫌がりますが、この補助金では2社以上の相見積もりが必要なので、そこはうまくご説明ください。

システム利用料

マッチングのためのプラットフォーム登録費・利用料です。

M&A マッチングサイトの提供のみを行う M&A 支援機関(M&A プラットフォーマー)は、登録制度の登録をする必要はありません。

補助金上限額、補助率

売り手型の補助率が1/2か2/3かですが、

① 物価高等の影響により、営業利益率が低下している者 ―具体的には、直近の事業年度(申告済み)及び交付申請時点で進行中の事業年度において、
(1)直近の事業年度(申告済み)と2期前の事業年度(通年)
(2)直近の事業年度(申告済み)及び交付申請時点で進行中の事業年度のうち、それぞれ任意の連続する3か月(当該期間の前年度同時期)の平均 上記(1)(2)のそれぞれの期間における営業利益率を比較した場合に、低下していること。
② 直近決算期の営業利益または経常利益が赤字の者

上記①、②のうちどちらかであれば2/3になります。どちらでもない場合は1/2です。

審査項目

申請方法や必要書類はとりあえずすっ飛ばしまして(また必要書類に関しては記事書きます)、審査項目の確認です。

(1) 資格要件の審査(全ての申請) 主に「5. 補助対象者」及び「11. 補助上限額、補助率等」に適合しているかを審査する。
(2) 書面審査((1)資格審査を通過した交付申請) 事務局及び審査委員会が交付申請書類等の提出された書類をもとに、下記の着眼点に基づき審査する。なお、審査委員会は、知見を有している外部有識者で構成されている。
① 買い手支援型(Ⅰ型)
• 経営資源引継ぎの計画が補助事業期間内に適切に取り組まれるものであること
• 財務内容が健全であること
• 買収の目的・必要性
• 買収による効果・地域経済への影響
• 買収実現による成長の見込み(自社の事業環境や外部環境を踏まえること)
② 売り手支援型(Ⅱ型)
• 経営資源引継ぎの計画が補助事業期間内に適切に取り組まれるものであること
• 譲渡の目的・必要性
• 譲渡による効果・地域経済への影響

公募要領P30より引用

買い手型に関しては、「目的・必要性」や「効果」「成長見込み」とあります。自社の事業環境や外部環境を踏まえてとありますので、市場性を有して上記の補助事業要件もありました通り、相乗効果や経営革新を実現するような計画か。ということですね。

加点項目

【買い手支援型(Ⅰ型)・売り手支援型(Ⅱ型)共通】
(1) 「中小企業の会計に関する基本要領」又は「中小企業の会計に関する指針」の適用を受けていること。
(2) 交付申請時に有効な期間における「経営力向上計画」の認定、「経営革新計画」の承認又は「先端設備等導入計画」の認定書を受けていること。
(3) 交付申請時点で「地域未来牽引企業」であること。
(4) 交付申請時点で中小企業基本法等の小規模企業者であること。
(5) 交付申請時点で「(連携)事業継続力強化計画」の認定を受けていること。

経営力向上計画、経営革新計画、先端設備等導入計画の認定(経営革新は承認)を受けている事、地域未来牽引企業、事業継続力強化計画と、申請前に認定を受けておいた方が加点になる項目もあります。

事業継続力強化計画は受けておいた方が良いですね。また、経営革新はできれば。先端設備等導入計画は新年度どうなるのでしょうかね?

【買い手支援型(Ⅰ型)のみ】
(6) 交付申請時点で「健康経営優良法人」であること。
(7) 交付申請時点で「サイバーセキュリティお助け隊サービス」を利用する中小企業等であること。
(8) 以下①②のいずれかを達成する賃上げを実施すること。
① 補助事業期間終了時に、事業場内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上の賃上げ
② (①を既に達成している事業者は、補助事業期間終了時に、事業場内最低賃金+30円以上の賃上げ

買い手型では賃上げで加点ともなります。

申請前には隅々まで公募要領のチェックを!

今回は、ざっくりと制度について対象者や経費について読んでゆきましたが、実際に申請しようとする場合には公募要領を必ず、読破してください。

ちょっと難解な表現も多いとも思います。読むのがちょっと嫌だなって方は一緒に読みますし、解説もしてゆきますのでお気軽にお声掛けくださいませ。

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