きたごう行政書士事務所よりお知らせ

ちょっと変わった「再構築指針」の類型、改めて再構築の定義と併せて確認!

たびたび改定されている「事業再構築指針」ですが、令和5年3月30日時点の改正は事業再構築補助金においてはじめての大きな変更と言えるような改定となっております。

公募要領を見ながら、事業再構築補助金 第10回以降で「再構築指針」をどのように見てゆけば良いのか、考えてゆきたいと思います。

これまで(第9回まで)の再構築指針

(1)【事業再構築要件】について
本事業で支援の対象となる事業再構築は、「新分野展開」、「事業転換」、「業種転換」、「業態転換」、「事業再編」を指します。なお、「事業再構築」の類型の詳細については、「事業再構築指針」(https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/index.html)にて公表しています。申請に当たっては、各類型ごとに定められる要件(製品等の新規性要件、市場の新規性要件、新事業売上高10%等要件(新たな製品等(又は製造方法等)の売上高が総売上高の10%(又は総付加価値額の15%)以上となること)等)を満たす計画であることが必要となります。

これまでの事業再構築の類型は、上記の5種類で、10%売上要件で、それぞれの類型の定義は違えど、目標数値は同じものでした。

これからの事業再構築要件

(1)【事業再構築要件】について 本事業で支援の対象となる事業再構築は、「新市場進出(新分野展開、業態転換)」、「事業転換」、「業種転換」、「事業再編」、「国内回帰」を指します。なお、「事業再構築」の類型の詳細については、「事業再構築指針」(https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/pdf/shishin.pdf?0330)にて公表しています。申請に当たっては、各類型ごとに定められる要件(製品等の新規性要件、市場の新規性要件、新事業売上高10%等要件(新たな製品等(又は製造方法等)の売上高が総売上高の10%(又は総付加価値額の15%)以上となること)等)を満たす計画であることが必要となります。

変わった点をおさらいしてゆきましょう。

第9回まで第10回以降
① 新分野展開
④ 業態転換
① 新市場進出(新分野展開、業態転換)
② 事業転換② 事業転換
③ 業種転換③ 業種転換
⑤ 事業再編④ 事業再編
⑤ 国内回帰

まず、新分野展開と業態展開が同じ区分となり、「新市場進出」に変更になります。

そして、新たにサプライチェーン強靭化枠用に「国内回帰」が加わりました。

これ、単純に改廃しただけでなく、満たすべき要件も変わっております。公募要領と再構築指針を併せてみてゆきましょう。

新市場進出

まず、この新市場進出の定義ですが、

新市場進出とは、中小企業等が主たる業種(売上高構成比率の最も高い事業が属する、総務省が定める日本標準産業分類に基づく大分類の産業をいう。以下同じ。)又は主たる事業(売上高構成比率の最も高い事業が属する、総務省が定める日本標準産業分類に基づく中分類、小分類又は細分類の産業をいう。以下同じ。)を変更することなく、新たな市場に進出することをいう。

事業再構築指針より

わかりやすく要約しますと、「日本標準産業分類」の変更がなく、新しい市場に進出すること。と言っております。

ここで、公募要領の類型を見てゆきましょう。

i.新たな製品・商品・サービスを提供すること、又は提供方法を相当程度変更すること
ii.新たな市場に進出すること
iii.新規事業の売上高が総売上高の10%以上になること(付加価値額の場合は、15%以上)
i.からiii.を満たすこと。

さて、ⅰに関してはこれまでの新分野展開、そして提供方法の変更の要件そのままですね。

あたらめて「新たな製品・商品・サービスを提供、提供方法の相当程度の変更」を定義から抜粋しますと、

事業を行う中小企業等にとって、事業により製造する製品、提供する商品又はサービス、若しくは提供方法が、新規性を有するものであること。

ですね。問題は「ⅱ新たな市場」というところですかね。これまでと同じですが改めて確認です。

ロ 新たな市場の定義 新たな市場とは、事業を行う中小企業等にとって、既存事業において対象となっていなかったニーズ・属性(法人/個人、業種、性別・年齢、所得、行動特性等)を持つ顧客層を対象とする市場を指す。

いわゆる、製品購入属性が同じであったり、代替性の利くものであったりそういうものではない、新しい分野、ユーザー、マーケットである必要があるという事です。

そして、ⅲ新規事業の売上高が総売上高の10%、または付加価値額の15%を占める計画であるということです。このⅰ~ⅲは全て満たすように。ということです。

事業転換

事業転換については、主たる業種(大分類)は変更なく、細分類から中分類を変更する再構築となります。公募要領には下記のように

i.新たな製品・商品・サービスを提供すること
ii.新たな市場に進出すること
iii.主要な業種が細から中分類レベルで変わること
i.からiii.を満たすこと。

新市場進出と同じような形ですが、主要な業種が細分類~中分類で変更する事が必要となります。

また、上記には書いていないですが、これまでと同様、

事業計画期間終了後、新たに製造する製品又は新たに提供する商品若しくはサービスを含む事業が、売上高構成比の最も高い事業となることが見込まれるものであること。

上記は指針にもあるように、売上構成比上、10%といわず最も高い事業である必要がありますね。

業種転換

こちらも引き続きの要件となります。

i.新たな製品・商品・サービスを提供すること
ii.新たな市場に進出すること
iii.主要な業種が中から大分類レベルで変わること
i.からiii.を満たすこと。

定義をわかりやすくChatGPTさんに箇条書きにしてもらうと、

  • 業種転換とは、中小企業等が新たな製品を製造し又は新たな商品若しくはサービスを提供することにより、主たる業種を変更することをいう。
  • 業種転換の該当要件は以下のいずれかに該当する場合をいう。
    1. 中小企業等が、新規性を有する製品又はサービスを製造する場合。
    2. 中小企業等が、新しい市場に参入する場合。
    3. 中小企業等が、売上高構成比の最も高い業種となることが見込まれる場合。
  • 業種転換の非該当例は以下の場合をいう。
    • 売上高構成比の最も高い事業が日本標準産業分類に基づく大分類の単位で変更されない場合。

事業転換よりももっと抜本的に事業を展開してゆこうとする再構築類型ですね。

事業再編

会社法上の組織再編行為(合併、会社分割、株式交換、株式移転、事業譲渡)等を補助事業開始後に行い、新たな事業形態のもとに、新市場進出(新分野展開、業態転換)、事業転換、業種転換のいずれかを行うことをいう。

より抜本的に、会社の組織再編を行って再構築を行ってゆこうという最大級の事業再構築ですね。

はいChatGPTさんの出番です。

  • 事業再編とは、会社法上の組織再編行為(合併、会社分割、株式交換、株式移転、事業譲渡)等を行い、新たな事業形態のもとに、新市場進出、事業転換又は業種転換のいずれかを行うことをいう。
  • 事業再編の該当要件は以下のいずれかに該当する場合をいう。
    1. 組織再編行為等を行うこと。
    2. 新市場進出、事業転換又は業種転換のいずれかを行うこと。

会社の組織再編を行ったうえで、新市場進出か事業転換、業種転換をやってゆこうとする枠になりますね。

国内回帰

今回から追加となった事業再構築の類型で、この類型は事業再構築補助金においては、「サプライチェーン強靭化枠」にのみ、適用可能な類型です。

サプライチェーン強靭化枠についてはまた改めてまとめの記事を書こうとも思いますが、まずは要件のうち、この再構築指針は押さえておいた方が良いと思うのでまとめておきたいと思います。

海外で製造等する製品について、その製造方法が先進性を有する国内生産拠点を整備することをいう。

何言ってんだかよくわかりませんので、指針を読んでゆこうと思います。

イ 国内回帰の定義 国内回帰とは、海外で製造等する製品について、その製造方法が先進性を有する国内生産拠点を整備することをいう。
ロ 国内回帰の該当要件 本事業の対象となる国内回帰とは、次のいずれにも該当する場合をいう。
(1) 事業を行う中小企業等が海外で製造・調達をしている製品について、国内で生産拠点を整備すること。ただし、事業を行う中小企業等が取引先から要請を受けて、取引先が海外から調達している製品を製造する生産拠点を国内で整備する場合も特例的に対象とみなす。
(2) 事業を行う中小企業等にとって、事業による製品の製造方法が、先進性を有するものであること。
(3) 次に掲げる要件のいずれかを満たすこと。
(ⅰ) 事業計画期間終了後、本事業により製造する製品の売上高又は付加価値額が、総売上高の十分の一又は総付加価値額の百分の十五以上を占めることが見込まれるものであること。
(ⅱ) 直近の事業年度の決算に基づく売上高が10億円以上であり、かつ、同事業年度の決算に基づく売上高のうち、事業再構築を行う事業部門の売上高が3億円以上である場合には、事業計画期間終了後、本事業により製造する製品の売上高又は付加価値額が、当該事業部門の売上高の十分の一又は付加価値額の百分の十五以上を占めることが見込まれるものであること

あんまり楽をしても良くないとも思いますが、やっぱりChatGPTに要約してもらおうと思います。

国内回帰とは、海外で製造する製品を国内で作ること。

国内に先進的な生産拠点を整備することを指す。

以下の要件のいずれかに当てはまる場合が対象。

(1)中小企業が海外で製造する製品を国内で作ること。

(2)先進的な製造方法を持つ製品を作ること。

(3)以下のいずれかを満たすこと。

(ⅰ)本事業により製造する製品の売上高または付加価値額が総売上高の10%以上を占める見込みがあること。

(ⅱ)直近の事業年度の売上高が10億円以上で、事業再構築を行う部門の売上高が3億円以上である場合、本事業により製造する製品の売上高または付加価値額が当該部門の10%以上を占める見込みがあること。

ChatGPTによる要約

つまり、海外で作っていた製品を国内でつくってゆこうと。ただ、国内回帰するだけでなく、その拠点では先進的な設備を揃えなさいよと。

売上高要件は10%となっております。

海外の拠点を国内に移すだけでなく、新しいというか、先進的な技術と言っていますので、審査項目にあるようなDX的な技術だったり、他社でも一般的でないようなプロセスの導入など、その補助額に見合うような投資が必要になりそうです。

事業計画書の記載はどうなる?

大きな変更は「新分野展開」と「業態転換」が合体した事で、より市場の変更点を見られるようになる点でしょうか。

事業再構築が始まって以来の変更になりますが、指針と公募要領の記載ポイントをしっかりチェックし、この関連性は間違いなく記載してくださいませ。

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