きたごう行政書士事務所よりお知らせ

JLOX+(ジェイロックスプラス)について。各補助金や交付申請についての注意点など。

JLOX+とは、

令和5年度 我が国の文化芸術コンテンツ・スポーツ産業の海外展開促進事業費補助金(コンテンツ産業の海外展開等支援)という経産省の事業の総称で、通称がJLOX+(Japan content LOcalization and business transformation(X) Plus、読み:ジェイロックスプラス)といいます。

この事業で経産省としては、コンテンツ産業(映像、音楽など)の海外展開や新規市場の開拓を目的としており、そのためにいくつかの補助事業を用意しております。

この補助金の事務局はVIPO(ヴィーポ)こと、特定非営利活動法人 映像産業振興機構。一時期補助金の指名停止措置があったときは他社が当時のJLOX(ライブエンタメ事業)を行っていましたが、それ以外はだいたいVIPOが事務局として以前から事務局を担当しています。

JLOX+特設ポータルサイト

現在の各種補助金の申請状況とスケジュール

補助金名直近締切日採択発表日
令和5年度 我が国の文化芸術コンテンツ・スポーツ産業の海外展開促進事業費補助金
(コンテンツ産業の海外展開等支援)
通称:JLOX+
海外向けのローカライゼーション&プロモーション支援
原則、隔週金曜日に応募を締切
2024年3月15日~2025年1月17日
2024年6月12日(隔週水曜日)
令和5年度 我が国の文化芸術コンテンツ・スポーツ産業の海外展開促進事業費補助金
(コンテンツ産業の海外展開等支援)
通称:JLOX+
国内映像制作を行う事業(プロダクション・ポストプロダクション支援)
第2回 2024年6月17日から8月30日第1回 
2024年5月31日
第2回 2024年9月27日
令和5年度 我が国の文化芸術コンテンツ・スポーツ産業の海外展開促進事業費補助金
(コンテンツ産業の海外展開等支援)
通称:JLOX+
国内映像企画開発を行う事業(プリプロダクション支援)
第2回 2024年5月10日から6月7日
第3回 2024年6月8日から7月12日
第4回 2024年7月13日から8月23日
第1回
2024年5月31日
令和5年度 我が国の文化芸術コンテンツ・スポーツ産業の海外展開促進事業費補助金
(コンテンツ産業の海外展開等支援)
通称:JLOX+
海外制作会社による国内ロケ誘致等に係る支援
第2回 2024年5月20日から6月7日
第3回 2024年8月26日から9月13日
第2回 2024年6月24日
令和5年度 我が国の文化芸術コンテンツ・スポーツ産業の海外展開促進事業費補助金
(コンテンツ産業の海外展開等支援)
通称:JLOX+
次世代デジタル技術等を活用したデジタルコンテンツ創出支援
第2回 6月1日から6月15日第2回 7月上旬
令和5年度 我が国の文化芸術コンテンツ・スポーツ産業の海外展開促進事業費補助金
(コンテンツ産業の海外展開等支援)
通称:JLOX+
コンテンツ製作の生産性向上に資するシステムの開発・実証支援
第1回 2024年3月15日から4月1日(終了)
第2回 2024年4月15日から5月1日(終了)

第3回 2024年5月15日から6月1日
第2回 5月下旬
第3回 6月上旬

各種補助金の簡単な解説

各補助金の名前は「通称」の表記で書かせていただきます。簡単な事業内容の概要と補助金額、補助率のみを記載です。

海外向けのローカライゼーション&プロモーション支援

日本発コンテンツ等の海外展開を促進し、「日本ブーム創出」を通じた「関連産業の海外展開の拡大」及び「訪日外国人等の促進」につなげる取組を支援します。

簡単に言えば、ローカライゼーションというのはいわゆる現地文化や言語に日本のコンテンツを翻訳したり修正したりするもの。プロモーション支援とは現地での展示会などに出展する際の費用の支援です。

【補助額上限】1案件につき2,000万円。1社への支援総額4,000万円
【補助率】補助対象経費の1/2

国内映像制作を行う事業(プロダクション・ポストプロダクション支援)

制作会社が資金調達やIP活用等に参画し、海外市場に訴求する高品質な映像作品制作を通じてコンテンツの国際競争力や収益基盤の強化を促進する取組を支援します。

映像制作会社が実写やアニメ制作などを行い、海外に向けて発信するための制作やポスプロ事業を行うことに対しての補助金。劇場公開やプラットフォーム配信などは問わないが、製作費3億円以上の大規模な制作であることが条件。

【補助額上限】1案件につき2億円。1社への支援総額4億円
【補助率】補助対象経費の1/2

国内映像企画開発を行う事業(プリプロダクション支援)

高品質なコンテンツの本制作に向け、多様な資金調達やパートナー獲得、クオリティの高い企画・脚本等の開発、契約交渉・資金調達における権利処理を行う取組を支援します。

こちらは「プリプロ支援」、プリプロダクションというのは制作に入る前の準備段階という意味。この事業では、(1)映像企画開発支援、(2)ゲーム企画開発支援が対象になる。

【補助額上限】1案件につき1,000万円。1社への支援総額2,000万円
【補助率】補助対象経費の1/2

海外制作会社による国内ロケ誘致等に係る支援

海外映像制作者が日本でロケ撮影等を行う事業を積極的に誘致することで、国内人材のさらなる活用を促し、映像産業の一層の発展に繋がる取組を支援します。

海外の制作スタッフが日本でロケする大型の番組や映画など(日本国内での製作費5億円以上)を、日本の法人がプロダクションとして誘致したり、ポスプロとして支援したりする事業についての補助金。

【補助額上限】1案件につき10億円。
【補助率】補助対象経費の1/2

次世代デジタル技術等を活用したデジタルコンテンツ創出支援

個々のクリエイターを支援する環境整備や、我が国発のIPを活用したビジネスモデルの高度化、新たなコンテンツ体験価値の提供を図る取組を支援します

コンテンツをデジタル化し、最新のデジタル技術を使って、日本発のコンテンツ(IP)を活用した新しいビジネスモデルや収益方法を開発し、顧客に新しい体験を提供する事業です。

【補助額上限】1案件につき1億円。1社あたり1案件まで。
【補助率】補助対象経費の1/2

コンテンツ製作の生産性向上に資するシステムの開発・実証支援

新たな技術導入等による、コンテンツ製作・流通工程の効率化や強化に資するシステムの開発・実証及び業界内の普及促進に繋がる取組を支援します。

コンテンツの制作、流通工程に新たなシステムを製作、または導入する事業の実証を支援する事業。業界への波及効果が大きいなど広範な現場に導入できるようなシステム開発が要件。

【補助額上限】1案件につき5,000万円。システム導入のみの場合は1社につき500万円が上限。
【補助率】補助対象経費の1/2

申請に係る注意点

大前提として、この事業は昨年までの「JLOX」とは違い、ライブやエンタメイベントを支援するための補助事業ではないという点に注意が必要です。

たとえば「海外向けのローカライゼーション&プロモーション支援」では一部、ライブなどのイベントも対象となりますが、基本的に「海外向け」ですので、海外での公演やイベントを対象としており、やはりそのターゲットも「海外ユーザー」や「海外企業」だったりします。

まずはその点にご注意いただければと思います。

そのうえで、申請に係る注意点を箇条書きでご案内します。

  •  申請事業により申請方法が異なる。⇒例えば「海外ローカライゼーション(略)」では専用システムから事業者登録を行い申請、「ロケ誘致」ではGビズID取得後、Jグランツから申請と、申請方法や様式が異なりますので、まずは申請方式をチェックしてください。
  •  収支予算の明確性 ⇒ 実行力を図るうえで、補助金は後払いになりますので、当面の資金は申請者の負担になります。そのうえで収入、支出、そして資金調達の手段などを明確かつ具体的に決めておくことが重要です。
  •  効果の想定 ⇒ この事業の効果が補助事業の目的と合致しているか。(例えば海外向けのプロモ支援なのに、想定している効果が国内ダウンロード数の増加など目的違いがないか)

他、事業者さんにより、また申請する補助事業により、注意点や必要書類も違ってきますので、お気軽にご相談ください。

事業が始まってすでに2か月。予算消化も気になるところ

JLOX+などこうした事業関係は知る人ぞ知る補助金ということで、予算消化が早かったりするのも恒例です。令和6年5月31日現在、既に予算消化により終了というお知らせはどの補助事業からも出ていませんが、申請をお考えの方はまずは公募要領をご確認の上、ご検討ください。

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