きたごう行政書士事務所よりお知らせ

補助金が不採択だった場合のお話

2021年7月9日

事業再構築補助金の第1回採択率、緊急事態宣言特別枠で約66.3%(約55.3%)、通常枠で約34.1%(約30.1%)と、どれだけ頑張っても不採択になってしまう場合もあります。

正直補助金はどんなに要件を満たしていても、充分な計画を練ったとしても不採択の可能性があるのです。運の要素もあるのです。審査するのも人間ですからね。

不採択になったら、どうするべきなのか。

今回はそんなお話をしたいと思います。

YouTubeでもお話しております。

情報収集は行う事

今回の事業再構築補助金ように、大本営から結果分析が出る補助金ばかりではなく、しかも不採択原因も教えてくれない補助金もあります。

初手としては、採択率、採択者数くらいの情報は調べておくと良いです。

採択率が高い(60%を超える)場合、なにかしらの申請不備があった可能性もありますし、低い場合はより計画をブラッシュアップする必要があるという原因究明の第一歩になるかと思います。

原因を探る

不採択には原因が何かしら存在します。藪から棒に「不採択」とは言われません。

先ほど「運の要素もある」と言いましたが、運が悪かった以外にも原因を探す必要があるのです。

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■ 原因1 申請までの時間が足りなかった

補助金は申請書を書いて出すだけの簡単なお仕事ではなく、できるだけ事前に市場の調査やニーズの有無、競合調査などやることは盛りだくさんです。

申請まで十分な時間を取れずに、我々士業やコンサル等に丸投げして、希望だけ伝えても、そうした機関はそういった情報をある程度鵜呑みにするしかなく、不十分な申請書になってしまうこともあります。

支援機関に連絡する際は余裕を持った(1.5~2か月前)相談をしましょう。

■ 原因2 審査基準となっている点の記載漏れ、欠落があった。

各補助金には「審査項目」というものが設けられており、それは公募要領で公開されております。・事業化面 ・体制面 ・政策面 など様々な審査項目があり、原則審査はそれに沿って行われます。

政策面で難しい項目もあろうかと思いますが、できるだけ書くようにしましょう。

もっとも、審査項目の中で重要な「市場」「実施体制」「スケジュール」などの根幹部分が欠落している場合は論外です。

■ 原因3 補助金とのミスマッチ

補助金にはそれぞれ、目的があり、それを達するために補助金事業が組まれています。

それと自社のビジネスモデルがかけ離れている場合は、要件に合致しても、しっかりとした収益計画を立てても採択は難しくなります。

事業再構築補助金の場合は、日本産業の構造転換やIT化、大きな挑戦。

ものづくり補助金の場合は生産性向上や総賃金上昇への取り組みなどが挙げられます。

例として言うと、「働き方改革」に寄った計画により、賃金上昇に資するような取組でなかったり、大胆なリスクを背負った計画でなかったりそうしたミスマッチがなかったか。

既存顧客の満足度ばかり気にして、新規顧客への訴求プランを考えてなかったり、

そもそも経費が対象外であったり。

こうした不一致も生じがちです。

■ 原因4 加点項目を満たせなかった

ものづくり補助金の場合、「経営革新計画の認定」と「事業継続力強化計画の認定」が加点項目となります。これを認定されていない場合、他社との補助金競争で少し遅れたところからスタートすることにもなる可能性があります。

こうした原因はあくまで一例で、他にもいろいろと原因はあるかと思います。

一人で悩まずにまずは相談してみると良いでしょう。

原因分析後、どうしてゆくか

事業再構築補助金など注目度の高い補助金に応募し、不採択になったとして、そのあとどうするか。情報を収集し、それから原因を探る。それで終わりでも、事業計画書を作成した意味はあるかもしれませんが、なんとなくもったいない感じもします。

1,同じ補助金に再チャレンジする

次回公募が決まっている補助金があるとして、充分にブラッシュアップできる時間を取って次の公募に向けて準備を行うというのも手です。

1次では時間がなくてやりきれなかった売上計画もより詳細な計画が出来上がるかもしれません。もちろん補助金の目的と自社の事業のビジネスモデルが合致している事が条件ですし、公募要領の変更点には要注意となります。

2,別の補助金に切り替える

事業再構築補助金に応募してみたはいいけれど、実は主たる目的は既存事業の更なる成長であった場合、設備投資でのものづくり補助金に切り替えるとか、販促を目的に切り替えて、ECサイトを小規模事業者持続化補助金で申請するなど、事業計画を見直すことも必要です。

流行りはもちろんありますが、もう一度目的とする事業内容を精査する必要があるという事です。

3 違う資金調達を考える

そもそもその資金計画が過度な投資であったり、夢成分強めで実現可能性が他人にはわかってもらえないなど不安があるのであれば、たとえばクラウドファンディングなどでの資金調達を検討してみるというのも手です。

また、事業計画に自信があるが、ニッチであったり、自社のビジネスモデルとマッチしなかったり、緊急に資金調達が必要な場合は、補助金など不確定なものを選ばず、融資を金融機関に相談してみるというのも必要です。

事業計画書を作成したことは無駄ではない

やりたいことだけを一方的に言って丸投げで作成してもらったり、どこかのフランチャイズに丸投げしたり機械屋に丸投げしたりした人は意味がないかもしれませんが、

我々のような士業・コンサル会社・金融機関などに相談し、事業計画を組み立てたことは決して無駄ではないのです。

補助金採択は結果でありますが、過程も充分に大事です。

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