事業再構築補助金 第7回募集開始

2022年7月4日

6月30日に事業再構築補助金第6回募集が申請締切になり、間髪入れずに7月1日より第7回募集の公募要領が公開されました。

https://jigyou-saikouchiku.go.jp/

公募要領はコチラ

第7回の締め切りは9月30日(金)18:00までです。

申請受付は8月下旬より、Jグランツの申請用ページからオンライン申請となります。

これまでの事業再構築補助金のおさらい

これまで6回の締切があり、現在5回まで採択結果が公表されております。

詳しい資料はこちらに出ておりますのでそちらもご覧ください。

過去5回の全ての枠での採択率は上記の通りです。だいたい40~45%くらい。他の補助金とだいたい同じくらいです。

ただし、応募類型ごとに見てみるとちょっと印象が変わっているかなと思います。

緊急事態宣言枠の採択率が高く、やはりコロナで30%以上売り上げが下がっている緊急事態宣言の影響を受けた事業者が比較的割合高く採択されています。

この緊急事態宣言枠は第5回で終了しており、先日締め切りになった第6回からは「回復・再生枠」「グリーン成長枠」という新たな類型が登場しております。

上記はあくまで参考まで。ということで。

通常枠は比較的厳しい目で見られているのかなとも思います。

緊急対策枠の新規創設

今回の第7回より、「緊急対策枠」が創設されました。

この枠は足許で原油価格・物価高騰等の経済環境の変化の影響を受けたことにより、2022 年 1 月以降の連続する 6 か月間のうち、任意の 3 か月の合計売上高が、2019 年~2021 年の同3か月の合計売上高と比較して 10%以上減少していること等。また、コロナによって影響を受けている事業者が申請できる枠となっております。

ですので、まずは通常枠の要件を満たしつつ、かつ2022年以降にこの原油価格・物価高騰の影響を受けているという要件を満たす必要があります。

申請要件は下記の通り

①事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること【事業再構築要件】

②足許で原油価格・物価高騰等の経済環境の変化の影響を受けたことにより、2022 年 1 月以降の連続する 6 か月間のうち、任意の 3 か月の合計売上高が、2019 年~2021 年の同3か月の合計売上高と比較して 10%以上減少していること等(※1)。また、コロナによって影響を受けていること(※2)。【緊急対策要件】
(※1)売上高に代えて付加価値額を用いることも可能です。詳細については、P19 の「(10)【緊急対策要件】について」を参照してください。
(※2)電子申請時に、コロナによって受けている影響を申告することが必要となります。

③事業計画を認定経営革新等支援機関と策定すること。補助金額が 3,000 万円を超える案件は認定経営革新等支援機関及び金融機関(金融機関が認定経営革新等支援機関であれば当該金融機関のみでも可)と策定していること【認定支援機関要件】

④補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 3.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均 3.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること【付加価値額要件】

公募要領より

補助上限額・補助率は、下記の通りです。また引用です。

中小企業等、中堅企業等ともに
【従業員5人以下】100万円~1,000万円
【従業員6~20人】100万円~2,000万円
【従業員21~50人】100万円~3,000万円
【従業員51人以上】100万円~4,000万円

中小企業等 3/4(※1)
中堅企業等 2/3(※2)
(※1)従業員数5人以下の場合500万円を超える部分、従業員数6~20人の場合1,000万円を超える部分、従業員数21人以上の場合1,500万円を超える部分は2/3)
(※2)従業員数5人以下の場合500万円を超える部分、従業員数6~20人の場合1,000万円を超える部分、従業員数21人以上の場合1,500万円を超える部分は1/2)

審査項目の追加

審査項目も少し変更になっております。

審査項目は全部で大項目が6つありまして、①補助対象事業としての適格性、②事業化点、③再構築点、④政策点、⑤グリーン成長点(グリーン成長枠に限る)、⑥加点項目 とあります。詳しくは公募要領のP38~P41をご覧ください。

今回はそのうちの③ 再構築点が一部追記されております。

(3)再構築点
① 事業再構築指針に沿った取組みであるか。また、全く異なる業種への転換など、リスク
の高い、思い切った大胆な事業の再構築を行うものであるか。※複数の事業者が連携して
申請する場合は、連携体構成員が提出する「連携体各者の事業再構築要件についての説明
書類」も考慮し採点します。
② 既存事業における売上の減少が著しいなど、新型コロナウイルスや足許の原油価格・物
価高騰等の経済環境の変化の影響で深刻な被害が生じており、事業再構築を行う必要性や
緊要性が高いか。
③ 市場ニーズや自社の強みを踏まえ、「選択と集中」を戦略的に組み合わせ、リソースの
最適化を図る取組であるか。
④ 先端的なデジタル技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、地域のイノベ
ーションに貢献し得る事業か。
⑤ 本補助金を活用して新たに取り組む事業の内容が、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の
経済社会の変化に対応した、感染症等の危機に強い事業になっているか。

上記のうち、どこが追記になったかというと

② 既存事業における売り上げの減少が著しいなど、新型コロナウイルスや足許の原油価格・物価高騰等の経済環境の変化の影響で深刻な被害が生じており・・・と、今回の緊急対策枠をうけての文言が追加されたことと、

⑤  本補助金を活用して新たに取り組む事業の内容が、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の
経済社会の変化に対応した、感染症等の危機に強い事業になっているか。

と、ただ違う事業に進出すればいいということではなく、感染症の影響がまた起きても、それに対応し得る、またそれに負けないような事業であることが審査のポイントと明記されております。

よくある不採択理由

恥ずかしながら力及ばず、私がサポートした事業計画書が「不採択」という結果になってしまったこともあります。

事業者さんより事務局にお電話してもらうと「不採択となった理由」を聞くことが出来ます。

ただし、あくまでも定型文での案内となっており、個別にどこがダメだったかという具体的な理由は聞けません。

ここから先はワタクシの感想が十二分に含まれていますのでご注意ください。

① 申請書のランク

これはよくわかりませんが事業計画書の出来栄え的にどうなのかという目安でしょうか。A・B・Cとあるらしく、Aが一番高いということです。

② 事業化点

・ 市場ニーズをよく考慮するように

これはその新事業はニーズある?という意味合いです。つまり、市場規模の算出ができていない、甘い、市場ニーズの有無の検証がなされていない。ということですね。

・ 事業化に至るまでの遂行方法やスケジュールをよく検討するように

事業体制や工程表を記載していないなど、ちゃんとその後を見据えてプランを組んでいるかという指摘なんだろうと思います。

・ 高いリスク?思い切った取組ですか?

その取り組みは本当にそこまでしても実現しなければならないものですか?転じてそんな意味だろうと思います。

③ 再構築点

・ 緊急性があればよいという指摘

いま、この市場に進出しないといけないという理由や状況を勘案してしっかり書きなさい。という事なのですが、、、書かれていてもこのコメントが出てくることもあり、よりはっきり項目を使って書くべきなのでしょうね。

・ リソースの最適化をしなさい

新しい事業をするから新しい人を雇用する。というのではなく、既存事業からリソースをさいて、(最適化)して取り組むべきという事でしょうか。

・ シナジー効果を出しなさい

違う市場で事業をしなさいといいつつ、既存事業との相乗効果を出せという話ですが、あんまりに関連性やなにも経営資源にならないような取り組みは無理があるよねという事でもあります。ただ単にフランチャイズに入ってノウハウを提供してもらうとかではなく、フランチャイズに入っても自社の強みを活かせるような取組かっていう事であろうと思います。

・ デジタルの活用などをして地域イノベーションに貢献しなさい

政策面での、いわゆる国のニーズの充足をはかりなさい。といった意味合いもあり、政策面での審査項目の点数が低かった際に出るコメントではないかなと思います。

事業再構築補助金の第7回で申請をお考えの方へ

① 自社の「強み」をしっかり棚卸し

② コロナ禍で生じた新たなニーズとは何か

③ 5年後には成長しているような取組かどうか

まずは上記3点をよく考えてゆきましょう。

「強み」とは。という話ですが、まずは「今、こんな世の中で顧客に選ばれている理由」「理想のお客様を獲得するために活かせるものは何?」から考えてゆきましょう。

キタゴウ行政書士事務所ではそういった強みの棚卸からフォローアップまで、「認定支援機関」としてお手伝いしております!