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【新規創業者も対象】事業再構築補助金の二次応募の要件と事業計画書の策定4ポイント・注意点

事業再構築補助金は、一次応募が5月7日まで行われていましたが、5月26日から7月2日までの期間で二次応募を受け付けています。

この事業再構築補助金は、売り上げ減少に苦しむ中小企業などを支援する補助金ですが、一定の条件を満たせば新規創業者も対象となります。

今回は、新規創業者向けに事業再構築補助金について応募要件や注意点・事業計画書を作成するときのポイントを解説していきます。

事業再構築補助金の申請要件

事業再構築補助金は誰でも応募することができる補助金ではありません。

以下の事業再構築補助金を応募するためには、申請要件を満たす必要があります。

  1. 指定した期間内の売り上げが10%以上減少している
  2. 新分野展開などに取り組む
  3. 認定経営革新等支援期間と事業計画書を策定する

ここからは、上記3点の要件について詳しく解説していきます。

売り上げが減少している

2020年10月以降の連続する6ヶ月間のうちに、任意の3ヶ月間の合計売り上げが、コロナ以前と比べて10%以上減少している場合、事業再構築補助金に応募することができます。

コロナ以前とは、2019年または2020年1〜3月のことで、この期間と比べて2020年10月以降の連続する6ヶ月のうち、3ヶ月間の合計売り上げが減少していることが条件となります。

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新分野展開・業態転換・事業/業種転換・事業再編などに取り組む

事業再構築指針にそった新分野展開や、業態転換、事業・業種転換などを行う場合、事業再構築補助金に応募することが可能です。

新分野展開とは、主たる業種や主たる事業を変更することなく、新たな製品を製造などして、新たな市場に進出することを指します。

新分野展開に該当するためには、後述する事業計画書で以下の3点を満たす必要があります。

  • 製品などの新規性要件
  • 市場の新規性要件
  • 売上高10%要件

例えば、過去に製造したことがある製品や、既に製造している製品の製造機器を用いて製造する場合、既存の製品と新規製品の性能に差がない場合は要件を満たすことができません。

YouTubeでもお話しておりますのでどうぞそちらもご覧ください。

認定経営革新等支援期間と事業計画を策定する

事業再構築にかかわる事業計画書を、「認定経営革新等支援機関」と策定します。

認定経営革新等支援機関とは、地域の商工会や商工会議所の経営指導員や、地方銀行・税理士・中小企業診断士などのことで、「中小企業を支援することができる機関」と経済産業大臣が認定した機関を指します。

この認定経営革新等支援機関は、コチラのページで最寄りの機関を検索することが可能です。

事業再構築補助金の対象となる新規創業者とは?

冒頭でお話しした通り、事業再構築補助金は一定の条件を満たせば新規創業者も応募することが可能です。

  1. コロナ禍となった2020年4月1日〜同年12月31日の期間内に創業している
  2. 事業再構築補助金の要件を満たしている

残念ながら、同じ新規創業者である2021年に創業した方は対象外となりますが、コロナ禍となった2020年4月1日〜同年12月31日に創業した方は事業再構築補助金の対象となります。

2020年4月1日〜同年12月31日の期間中に創業した方の売り上げ減少要件は、2020年10月以降の連続する6ヶ月間のうち、任意の3ヶ月の合計売上高から、2020年創業時から同年12月末までの1日あたりの平均売上高の3ヶ月分を売上高として比較します。

算出した減少した売上高は、後述する事業計画書で示す必要があります。

事業計画書を策定する4つのポイント

事業再構築補助金に応募する際に必要な事業計画書は、認定経営革新等支援機関と共に策定しますが、事業計画そのものを策定するのは企業となります。

この事業計画書は事業再構築補助金の審査の“基”となるため、時間をかけて合理的で説得力のある事業計画書を作成する必要があります。

現在の企業の弱みの分析から、新しい事業の市場分析、優位性の確保に向けた課題認定や解決方法など、締め切りまでに間に合うように時間に余裕を持って策定しましょう。

そこでここからは、事業計画書を策定する際の4つのポイントについて解説していきます。

1.補助事業の具体的な取り組み内容

  • 現在の事業の状況
  • 強みや弱み
  • 機会や脅威
  • 事業環境
  • 事業再構築の必要性
  • 事業再構築の具体的な内容
  • 実施する新分野展開や業態展開・事業/業種転換などの取り組み
  • 事業再編への取り組み

事業計画書では、上記について具体的に記載する必要があります。

必要に応じて図表や写真などを用いて、事業実施期間内に投資する建物の建設や改修などの予定、機械装置などの型番、取得時期や技術の導入、専門家の助言、研修時期について、詳細なスケジュールを記載しましょう。

また、もし既存事業の縮小などによって、従業員の解雇を伴う場合は、再就職支援などの計画や、従業員への配慮についても具体的に記載します。

具体的な取り組みに関しては、補助事業を行うことで、他者や既存事業とどのように差別化して、どう競争力を強化するのかについて、その方法や取り組みについても記載する必要があります。

2.事業化に向けて想定している市場や期待される効果

必要に応じて図表や写真などを用いて、本事業の成果が寄与すると想定している具体的に以下の内容を記載しましょう。

  • ユーザーやマーケットおよび市場規模
  • 成果に対する価値的・性能的な優位性や有益性
  • 課題やリスク
  • 課題やリスクの解決方法

また、本事業の成果の事業化見込みついて、時期や売上規模・量産化時の製品の価格など、目標となることを具体的に、それでいてかつ簡潔に記載します。

3.事業で取得できる主な資産

本事業によって取得する資産について記載します。

資産は補助事業実施期間中に、取得財産管理台帳で整備する必要があります。

取得財産管理台帳とは、金額の大小にかかわらず善良な管理者の注意を持って、適切に管理・保管を行い、実績報告書提出時期にあわせて提出の必要があります。

金額の大小にかかわらずと言いましたが、取得価格または増加額が1件あたり50万円(税抜)以上の取得財産に限ります。

また、一定期間が経過して取得財産管理台帳を処分する場合は、補助金事務局の承認を受ける必要があります。

新分野展開などで取得する資産として考えられるのは、建物や機械装置・システムなどが想定されるので、別途取得財産管理台帳で整備する必要があることを覚えておきましょう。

4.収益計画

収益計画表において、本事業の実施体制やスケジュール・資金調達計画などについて具体的に記載します。

付加価値額を算出し、算出根底を記載する必要がある他に、示された数値は補助事業が終了した後に、毎年度の事業化状況などの報告で伸び率の達成状況の確認を行う必要があります。

事業計画書を作成するときの3つの注意点

事業計画書を作成するときは、ここまで解説してきた4つのポイントを意識することの他に、注意点にも意識を向ける必要があります。

  • 枠と種類を理解する
  • PDF形式の最大15ページまでで策定する
  • 見積書は極力添付する

ここからは、上記3点の注意点について解説していきます。

枠と種類を理解して事業計画書を策定する

事業再構築補助金の応募枠には、「通常枠」「卒業枠」「グローバル枠V字回復枠」「緊急事態宣言特別枠」の4つに分かれています。

さらに、事業再構築の種類として「事業再編型」「業態転換型」「新分野展開型」「事業展開型」「業種転換型」の4つに分けられます。

これらの枠や種類に応じて、「事業再構築指針」にそった事業計画を策定する必要があります。

本事業がどの事業再構築の類型なのか、どの種類の再構築なのかについて事業再構築指針とその手引きを確認しましょう。

【参考】事業再構築指針の手引き/経済産業省

PDFファイルで策定する

briefcase with documents placed on table
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事業再構築補助金の添付書類として策定する事業計画書は、Wordなどで作成し、PDF形式に変換した電子ファイルを、電子申請システムの所定の場所に添付する必要があります。

最大15ページまで対応しているので、策定する事業計画書はPDFファイルの15ページまでとなります。

しかし1,500万円までの補助額申請の場合は、10ページまでのPDF形式の事業計画書となるので注意しましょう。

【参考】公募要領/事業再構築補助金事務局

見積書を取得しておくと良い

見積書は添付書類として必須ではありませんが、補助対象経費に計上する経費に該当する添付書類がそろっていることで、採択後に速やかに交付決定の手続きに以降することができるので、極力揃えるようにしてきましょう。

group of people sitting indoors
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【参考】公募要領/事業再構築補助金事務局

まとめ

事業再構築補助金は、1兆円規模の予算で実施される大型補助金制度です。

事業再構築補助金に応募するためには、応募要件を満たす必要があります。

また、事業再構築補助金に添付する事業計画書では、今回ご紹介した4つのポイントを意識して策定するようにしましょう。

事業計画書を策定するときには、枠や種類を理解して策定する他に、PDF形式で最大15ページまで、見積書は極力添付するようにすると、採択後にスムーズに補助金の交付を受けることができます。

きたごう行政書士事務所では、補助金や助成金についてのご相談を受け付けており、適切なサポートを行っております。

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